入国及び在留手続
Procedures for Entry and Stay in Japan

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【2009年01月~03月】
ビザ・在留資格、帰化・国籍取得、国際結婚・国際離婚等

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【目次】08.2010年04月~06月 07.2010年01月~03月 06.2009年10月~12月 05.2009年07月~09月
【目次】04.2009年04月~06月 03.2009年01月~03月 02.2008年10月~12月 01.2008年07月~09月

フィリピン人家族、長女のみ在留特別許可、両親は来月強制送還
(参考資料:2009年3月14日及び15日、読売新聞[社説含む])

 1992年から1993年にかけて他人名義のパスポートで不法入国し、1995年に長女を儲けた埼玉県在住のフィリピン人夫妻は、2008年最高裁にて退去強制処分が確定後も、法務大臣に一家揃っての在留特別許可を求めていました。しかし、法務大臣は13歳の長女だけ日本残留を許可し、夫妻には国外退去を命じました。
 退去強制事由については、入管法第24条に列記されています。ただし、入管法第50条法務大臣の裁決の特例)では、退去強制事由に該当する場合であっても、法務大臣はその外国人の諸般の事情を考慮して、在留特別許可ができるとしています。在留特別許可に関する明確な基準が存在しないことが、今回、大きな話題となりました。確かに、法務省は2006年、「在留特別許可に係るガイドライン(人道的配慮が必要なケース)」を公表しましたが、これは目安であり、実際には明確な基準はなく、個別事情で判断しています。
 今回のケースで個別に考慮を要した点は以下の通りです。①夫妻は他人名義のパスポートで不法入国しました。正規に入国し、その後不法残留となった場合に比べ悪質であると判断されます。②夫妻は15年以上不法滞在を続けました。③一家の不法滞在は、自主的な出頭申告ではなく、摘発によって発覚しました。④昨年9月、「国外退去命令の取り消し訴訟」の上告を最高裁が却下しました。⑤中学生以上の子供がいる場合、家族全員の在留が認められた事例もありますが、今回のケースに関しては、退去強制手続に入った時点で長女は小学生でした。⑥長女は日本で生まれ育ち、日本語しか話せません。現在は公立中学校の1年生で、学校や地域社会に溶け込んでいます。また、都内などに親類がいます。
 欧米では、不法滞在者でも滞在期間が長いなど一定条件を満たせば、定住を認めてきました。今回のフィリピン人一家のケースが大きな話題となった要因は、在留特別許可に関する明確な基準が存在しないからであると言われています。日本在留年数、子供の年齢などに明確な基準をつける必要性があるのではないかという声が大きくなってきました。また、日本には、厳格な不法滞在の取り締まりをすべきだという世論と、生活実態に合わせて柔軟な対応を採ってもいいのではないかという世論があります。日本は今後どちらにウエイトを置いていくのか、海外からの関心も集まっています。

日系人のための日本語教育支援が急務
(参考資料:2009年3月13日、読売新聞社説)

 昨年来の歴史的な世界同時不況下において、日本の雇用環境も悪化の一途をたどっています。在留資格「定住者」を持つ日系人(ブラジル人など)労働者はその影響をまともに受け、解雇により職を失い、生活苦に悩まされています。さらに、彼らが子供の授業料を支払うことができないため、子供が南米系外国人学校に通えない状況に陥っています。
 静岡県浜松市など日系人の多い全国8地区の公共職業安定所において、外国人求職者は昨年10月から12月の3ヶ月間で5,530人に達しました。この数は前年同期の6倍に当たります。そして、日本での求職をあきらめて帰国した人も数多くいます。本来ならば、自動車産業等の製造業で求人がない場合、比較的人手の足りないサービス産業に職を求めても良いところです。しかし、彼らのほとんどは日本語を使いこなせないため、こうした業界への転職が円滑に進んでいません。
 日本に在留するブラジル人は約31万人、ペルー人は約6万人います。1990年の入管法改正により、日系3世までは在留資格「定住者」が与えられ、職種に制限のない就労ができるようになりました。この改正以来日系人の数は急増し、自動車産業の下請け工場などで働くことを通して、日本経済の基盤を支えてきてました。
 これまで日本経済に貢献してきてくれた日系人が苦境にある中、政府は内閣府に定住外国人施策推進室を設置し、当面可能な教育施策や雇用対策を取りまとめました。具体的には、外国人失業者を対象とした、日本語教育を含む就労研修事業を予定しています。また、彼らと同様に日本語のできない子供達のために、通訳のできる支援員をモデル地域の公立学校に派遣する事業を始め、公立校への転校を促しています。こうした日本語教育支援体制の拡充が急がれます。

外国人研修・技能実習生を巡るトラブル
(参考資料:2009年3月5日・日本経済新聞夕刊、
坂中英徳及び浅川晃広共著『移民国家ニッポン』・日本加除出版・2007年)

 1993年4月、実践的な技術・技能又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力する目的で、「外国人研修・技能実習制度(期間:研修1年、技能実習2年)」が創設されました。しかし、国際技術協力は建前で、本音は低賃金単純労働者として外国人を酷使するシステムであり、賃金を巡るトラブルが続出しています。
 また、昨年来の世界的な景気後退の影響を受け、研修・技能実習生の受け入れ企業の業績が悪化し、まだ在留期限を迎えていない彼らを強制的に帰国させるケースが目立ってきました。法務省入国管理局の調査によると、途中で帰国した人数は、昨年10月が114人、同12月が250人と急増しました。さらに、帰国の際の賃金未払い問題も浮上してきました。
 政府は『出入国管理及び難民認定法』の改正案を今国会に提出する方針ですが、こうした状況の下、研修・技能実習生の保護強化を目的として、「外国人研修制度の見直しに係る措置」も盛り込みました。その概要は以下の通りです。
 ①在留資格「研修」について、労働関係法令の適用を可能とするため、在留資格(就労研修)の新設等を行います。
 ②研修生が修得した技能等に習熟するための活動を在留資格(技能実習)として整備します。
 ③悪質なブローカーに対処するため、偽変造文書作成の教唆・幇助等に係る退去強制事由を規定します。
 外国人政策研究所の坂中英徳所長(元東京入国管理局長)はさらに踏み込んで、「制度を廃止し、職業訓練校などで外国人を受け入れ、卒業後は日本人と同じ条件で正式に雇用すべきだ」と提言しています。そして、著書の中では「今後深刻化する人口減少問題に対処するため、相当数の外国人の受け入れが必要となる。海外から多彩な人材を受け入れるため、適正な外国人受け入れ制度を作ることが国民的な課題となる。」と述べています。なお、坂中氏は人口減少時代に適応する制度として、外国人の「人材育成」と「定住促進」を柱とする「移民政策」を提案しています。

「外国人が快適に観光できる環境の整備に関する政策評価」の結果及び勧告
(参考資料:2009年3月3日、日本経済新聞夕刊、総務省HP)

 総務省は3日、「外国人が快適に観光できる環境の整備に関する政策評価」の結果及び勧告を公表しました。その中で、主要空港での入国審査の待ち時間短縮が不徹底、外国人が宿泊したホテル・旅館の約4割が外国語で接客をしていない、等の問題点を指摘しました。そして、総務省は法務省と国土交通省に必要な措置を講じるよう勧告しました。
 入国審査時の最長待ち時間に関しては、2008年8月以降、外国人旅行者数の減少等により短縮傾向にありますが、同年において目標(20分以下)を達成した月の割合は、中部国際空港25%、成田空港17%、羽田空港0%、関西国際空港0%という結果でした。“入国審査の厳格化と円滑化の両立”はとても難しい課題ですが、早期の目標達成が期待されています。
 また、2007年の1年間に外国人が宿泊した1,560の登録ホテル・旅館のうち、外国語による接遇を「行っている」と回答した施設は59.2%にとどまる一方、「行う予定」は17.2%、「行っていないし、予定もない」は22.9%で、合計40%に上りました。さらに、外国語による施設の案内表示や情報提供を「行っている」と回答した施設は56.9%にとどまる一方、「行う予定」は20.2%、「行っていないし、予定もない」は20.9%で、合計41%に及びました。
 日本の政策目標は「2010年までに外国人旅行者数1,000万人」(2008年の推計値は約835万人)ですが、今後も世界的な景気後退や円高基調等が続けば目標達成は困難となるでしょう。その上、外国人目線に立った“おもてなし”ができないようでは、外国人の日本離れが加速しかねません。外国人観光客は日本の内需拡大に貢献してくれる大切な存在です。

外国人不法滞在者数、5年間で13万人に半減
(参考資料:2009年2月17日、日本経済新聞夕刊)

 法務省入国管理局は、2004年に約25万人もいた不法滞在者数が今年1月1日時点で約13万人となり、5年前と比べて約48%減少したと発表しました。同省は不法滞在者を5年間で半減させるという政府計画(2004-2008年)に従って、摘発強化上陸審査の厳格化を行ってきました。具体的には、2004年以降、不法滞在者を集中的に取り締まるための部隊を東京、大阪、名古屋など大都市で増員し、摘発強化に当たってきました。また、2007年11月には、日本に入国する外国人に指紋や顔写真の提供を義務付ける生体情報認証システムを導入しました。これらにより、計画は概ね達成できました。
 不法滞在者は、在留資格を得て入国しながら期限までに帰国しなかった不法残留(オーバーステイ)者と、船舶密航などの不法入国者で構成されます。入国管理局によると、不法残留者数は、2004年1月時点で21万9,418人でしたが、2009年1月時点で11万3,072人となり、48.5%減少しました。そして、不法入国者数は、入国審査などを経ていないため正確な数字は把握できませんが、2004年時点で約3万人という推計値が、2009年時点で推計1万5千~2万3千人まで減少しました。
 2009年1月時点の不法滞在者を国籍別でみると、韓国が2万4,198人(構成比21.4%)で最も多く、以下中国(同16.3%)、フィリピン(同15.3%)という順でした。

政府が入管法改正案を今国会提出、「在留カード」発行で国が外国人を一元管理
(参考資料:2009年2月17日、読売新聞)

 政府は「出入国管理及び難民認定法(入管法)」の改正案を今国会に提出します。要旨は以下の通りです。
1.新たな在留管理制度の導入
 (1)法務大臣は、在留資格をもって日本に中長期間在留する外国人に対し、基本的身分事項、在留資格、在留期間等を記載した在留カードを交付(外国人登録証明書は廃止)します。(2)外国人は在留カードの記載事項のほか、受け入れ先や身分関係に変更があった場合には、法務大臣に届け出なければなりません。(3)法務大臣が外国人の受け入れ先から、外国人に関する情報の提供を受けられるようにします。(4)法務大臣は、外国人に関する情報の継続的な把握のため、必要がある場合には、届け出事項について事実の調査を行えます。(5)在留期間の上限を3年から5年に引き上げます。
2.外国人研修制度の見直し
 労働関係法令の適用を可能とするため、在留資格「就労研修」を新設します。
3.在留資格「留学」と「就学」の一本化
 留学生の安定的な在留のため、「留学」と「就学」の区分をなくし「留学」に一本化します。
 実際に改正した内容については、「入管法及び入管特例法の改正等(2009年7月15日公布)」をご参照下さい。

偽装認知による子供の日本国籍不正取得、中国人男女3人逮捕
(参考資料:2009年2月13日、読売新聞夕刊及び法務省資料)

 2008年12月12日、国籍法改正(2009年1月1日施行)によって、出生後に日本人の父親に認知されていれば、父母が結婚していない場合にも、届出により日本国籍を取得することができるようになりました。また、虚偽の届出をした者に対する罰則が設けられました。今回の国籍法改正は、2008年6月4日に最高裁判所で下された判決を受けたものです。
 しかし、中国籍の男女3人(うち1人はブローカー)はこの改正を悪用し、中国人男女の間にできた子供について、届出の提出日に服役中であった日本人男性に偽装認知させ、日本国籍を不正取得させました。このため警視庁は13日、中国人男女3人の容疑者を有印私文書偽造・同行使などの疑いで逮捕しました。なお、警視庁は父子の血縁関係の真偽を確認するために、今回初めてDNA鑑定を活用し、日本人の子供でなかったことを特定しました。
 子供の実父母である中国人2人の容疑者にはいずれも日本人と結婚歴があり、在留資格「定住者」を取得していました。警視庁の調べに対し、「子供が日本国籍を取得すれば、日本で長く暮らせると思った」と供述しているようです。女性側は日本国籍を持つ実子を扶養する名目で、そして男性側はその子の義父という名目で、不正に永住許可を狙い今回の犯行に及んだと思われます。

インドネシア人の介護福祉士候補者、資格取得目指し就労開始
(参考資料:2009年1月29日、日本経済新聞夕刊)

 2008年8月、日・インドネシア経済連携協定(EPA)に基づき、インドネシア人の介護福祉士候補者看護師候補者各104名ずつ合計208名の方々が来日しました。このうち介護福祉士候補者101名が、約半年間に及ぶ日本語や生活習慣などに関する研修を受けた後、今年1月29日から、24都府県の特別養護老人ホームなど51施設で、介護福祉士の資格取得を目指して就労を開始しました。日本語研修を免除された3名は昨年9月から東京都と神奈川県の施設で就労しています。
 また、看護師候補者104名は、今年2月12日に日本語研修を修了し、14日から23都府県の47病院で就労を開始する予定です。さらに、4-5月には、日・フィリピン経済連携協定(EPA)に基づき、介護福祉士と看護師の候補者が、最大で450名程度来日する予定です。なお、EPAに基づいて来日した方々の在留資格は「特定活動」です。
 世界的な大不況による失業問題が深刻化しているにもかかわらず、介護業界では低賃金や重労働が敬遠されて、人手不足の状態に変わりありません。そうした中、インドネシア人やフィリピン人などの外国人労働者に対する期待は、益々大きくなっています。しかし、彼らは来日から4年以内に日本語による介護福祉士試験を受験し、それに合格しなければ帰国を強制されます。この資格を受験するためには3年間の実務経験が必要なので、彼らに与えられたチャンスは1回限りです。外国人にとってとても厳しい条件です。介護現場での切なる人員需要に対して、供給が追い付かないことが懸念されます。
 就労可能な在留資格もご参照下さい。

訪日外国人旅行者数、2008年下半期は前年同期比8.8%減
(参考資料:2009年1月28日、読売新聞、日本政府観光局HP)

 日本政府観光局JNTO : Japan National Tourism Organization)は27日、2008年の訪日外国人旅行者数を発表しました。2008年の上半期ついては、ビジット・ジャパン・キャンペーンVJC)の効果等により、前年同期比10.0%増を記録しました。しかし、下半期については、世界金融危機による景気後退急激な円高の影響を受けて、前年同期比8.8%(38万8,075人)減を記録しました。特に、韓国通貨の大幅下落により、韓国からの観光客が激減しました。半期ごとの訪日外国人旅行者数が前年割れをするのは、新型肺炎(SARS)の影響を受けた2003年上半期(10.5%減)以来5年半ぶりです。
 日本政府観光局・2008年月別訪日外客数(伸長率)推計値は以下の通りでした。1月711,350人(15.1%)、2月696,326人(10.3%)、3月731,619人(6.9%)、4月779,909人(9.2%)、5月736,122人(10.8%)、6月681,563人(7.9%)、7月825,012人(2.1%)、8月742,022人(-2.0%)、9月641,235人(-7.0%)、10月738,832人(-5.9%)、11月553,900人(-19.3%)、12月513,700人(-24.1%)。
 また、2008年通期の訪日外国人数については、835万1,600人で、前年の数値834万6,969人をわずかに上回り、かろうじて過去最高を維持しました。しかし、観光庁が掲げた2008年通期の目標915万人に対して、大幅に下回ったことになります。中期目標である「2010年までに訪日外国人旅行者数1,000万人の実現」は難しくなってきました。

法務省方針、留学生在留期間延長へ
(参考資料:2009年1月23日、日本経済新聞夕刊)

 政府が掲げる「2020年度までに留学生を30万人に増やす計画」(2007年末現在132,460人)の実現に向けて、法務省は23日、外国人留学生の在留期間などに関する方針を決定しました。今国会に提出する「出入国管理及び難民認定法」の改正案に反映させます。この方針が法制化されると、日本在留手続に関して、留学生の負担軽減につながります。
 在留資格「留学」の在留期間は、現在、「2年又は1年」と定められています。外国人留学生が4年制の大学に入学した場合、在学中に在留期間更新許可申請をしなければなりません。在留期間を延長することによってこの負担を減らします。具体的な期間については、今後の検討課題です。
 また、日本国内の企業に就職するための環境も整備していきます。留学生が卒業後も就職活動を継続したい場合、最長で180日間(在留資格「短期滞在」90日間×2回)という在留期間が許可されます。これを1年程度まで延長する予定です。
 さらに、大学は在留資格「留学」、高校や日本語学校などは在留資格「就学」と区別されている在留資格を一本化し、「就学」から「留学」への在留資格変更許可申請を行わなくてもすむようにします。
 そして、在留資格「留学」についての入国審査期間を大幅に短縮する一方で、留学生を受け入れる大学などに、入国管理局への在籍状況報告を義務付けます。

日系ブラジル人に対する制度の不備が表面化
(参考資料:2009年1月19日、日本経済新聞)

 日本人の子孫である日系人は、1990年の出入国管理法改正以来、「日本人の配偶者等」や「定住者」という在留資格を与えられ、長期滞在による自由就労が認められるようになりました。家族と共に長期滞在する日系人の数は増加し続けていますが、特に、ブラジル人登録者数は2007年末時点で31万7千人に達しました。
 近年、言葉や生活習慣の違いから地域住民とのトラブルも目立ってきており、日系人による犯罪数も多くなってきました。そのため、2006年4月から、日系人及びその家族が「定住者」の在留資格により上陸許可を受ける場合、この在留資格の期間更新をする場合、この在留資格へ在留資格変更をする場合の要件に、「素行が善良であること」が追加されました。
 昨年から続く急激な景気の悪化により、自動車産業や電気機械産業を中心に、派遣従業員の解雇が深刻化しています。日本で働く日系ブラジル人もこの影響を受けて、失業者急増問題に直面しています。こうした問題をきっかけとして、日系人のための日本語研修(再就職するために必要不可欠)、子供の教育(日系人の子供は義務教育の対象外)、健康保険、年金、児童手当などといった行政サービスを、適切に受けるための制度の不備が表面化するに至りました。
 外国人の在留は、「出入国管理及び難民認定法(入管法)」と「外国人登録法」という2つの法律により、個別に管理されています。これら2つの法律が相互に連携されていないことから、国や地方自治体双方とも外国人の現況を正確に把握できていません。このため、日系ブラジル人のように、「定住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者」といった在留資格を持ちながらも、安定した定住に必要な行政サービスを受けることができずに困窮する事態が発生しています。
 日系ブラジル人の失業問題をきっかけとした諸問題を解決していくために、総務省は「外国人台帳制度」の導入を準備中で、3年後の施行を目指しています。これは外国人版「住民基本台帳制度」であり、各種行政サービスの提供に役立てるためのものです。また、鈴木康友・浜松市長は、外国人に関する諸問題を専門に扱う「外国人庁」の設置を提案しています。

米国の電子渡航認証システム(ESTA)
(参考資料:2009年1月13日、日本経済新聞)

 米国の「電子渡航認証システム(ESTA:Electronic System for Travel Authorization)」とは、2001年9月11日に起きた米国同時多発テロを契機として制定された制度です。アジアでは日本・シンガポール・韓国のような、米国のビザ免除プログラム対象国の渡航者が、米国にビザ無しで短期商用・観光目的(90日以内)で渡航する場合、米国行き航空機や船舶への搭乗前に、オンラインで渡航認証を受けることを義務づけています。この制度は2009年1月12日から義務化されましたが、現時点では、米国本土・アラスカ・ハワイが対象で、グアム・サイパンは対象外です。
 ESTA専用ホームページにて、生年月日、氏名、電話番号、パスポートに関する情報、利用航空会社に関する情報、伝染病・身体的又は精神的障害・麻薬常習者又は麻薬中毒者に関する情報、逮捕歴・強制送還歴に関する情報などの質問に回答し、問題がなければ認証されます。認証の有効期間は2年間ですが、パスポートの有効期限が2年以内の時は期限日までとなります。期限内であれば、何度でも渡航可能です。

大学の外国人教員の割合3.4%どまり、大学の国際化停滞
(参考資料:2009年1月5日、日本経済新聞)

 文部科学省がまとめた大学院活動状況調査(全体:590校)によると、2007年度、日本の大学に勤務する外国人教員の数は5,763人でした。大学の教員全体の人数は167,000人余りでしたので、外国人教員の割合は3.4%にとどまりました。その前年に当たる2006年度の外国人教員の比率は3.5%でした。外国人教員の採用が進んでいないことがうかがえます。
 外国人教員を受け入れるための取り組み(例えば、教員の公募情報を海外の学術誌に掲載、特任教授としてより高額な年俸を提示)について、「している」と答えた大学の数は合計166校あり、全体の28.1%にとどまりでした。その内訳は、国立が47校で国立全体の54.7%、公立が22校で公立全体の33.8%、私立が97校で私立全体の22.1%でした。そして、「検討中」と答えた大学の数は合計79校あり、全体の13.4%でした。一方、「実施も検討もしていない」と答えた大学の数は合計345校あり、全体の58.5%を占めました。
 政府は昨年、2020年度までに留学生を現在の2.5倍に当たる30万人にまで増やし、日本の大学の国際化を推進する計画を発表しました。大学を国際化するには、外国人教員を数多く採用し、外国人教授の比率も国際化する必要があります。しかし、上記の数字が示す通り、大学の国際化は依然として進んでおりません。その理由として、教授会や日常的な事務を英語で行う必要があることなどが挙げられています。

韓国人女性、指紋変造で「生体認証システム」通過・不法入国
(参考資料:2009年1月1日、読売新聞)

 2008年4月末、韓国人ブローカーから偽造旅券と指紋の模様がついたイミテーションテープを購入した韓国人女性が、青森空港の入国審査を通過し不法入国しました。当空港の入国審査官はこのテープの存在に気付かなかったようです。
 入国管理局は、2007年11月から「生体認証(バイオ)審査」システムを導入・実施しています。このシステムは、テロリストや不法入国を試みる外国人の入国を未然に防ぐために、入国審査時外国人に指紋と顔写真の個人識別情報を提供させて、日本警察や国際刑事警察機構の指名手配犯と退去強制歴のある外国人の指紋などと照合する装置です。このシステムの運用開始から1年を経過した時点で、約936万5千人の外国人が審査を受けましたが、その内846人が入国を拒否されました。また、不法残留者の新規発生数も大幅に減少し、このシステムが相当の効果をあげていると報告されていました。
 しかし、今回、両手人差し指に特殊なテープを装着しただけという、比較的単純な手口で入国審査を通過したことが判明しました。また、外国人の不法入国を手引きするブローカーにとって、青森空港のような小さな空港の審査は厳しくないし、成田や関西などような大きな空港に集中することは危険であると捉えられているようです。入国管理局は、今回のケースの背後にある実態を解明して、至急、万全であったはずの入国審査体制を見直さなければならなくなりました。
 入国審査官は、外国人の入国者数が年間900万人を超え、さらに増え続けることが見込まれる状況の中で、厳格かつ円滑という相反する入国審査の実践に日々取り組んでます。彼らに外国人全員の指先のチェックまでも要求するということになると、彼らの負担はより一層重たくなります。

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