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入管法・入管特例法の改正(2009年7月15日公布)

1.新たな在留管理制度の導入【施行日:公布日から3年以内】

(1)法務大臣が必要な情報を継続的に把握する制度の構築
 新たな在留管理制度は、適法な在留資格をもって日本に中長期間に在留する外国人を対象とします。対象者には、上陸許可や在留資格変更許可、在留期間更新許可等の在留に係る許可に伴って、在留カードが交付されます。
 在留カードには、写真が表示されるほか、次の事項が記載されます。氏名・生年月日・性別及び国籍の属する国又は入管法第2条第5号ロに規定する地域、住居地、在留資格・在留期間及び在留期間の満了の日、許可の種類及び年月日、在留カードの番号・交付年月日及び有効期間の満了の日、就労制限の有無資格外活動許可を受けているときはその旨。また、偽変造防止のためICチップが登載され、券面記載事項の全部又は一部が記録されます。
 なお、次の方々は対象外です。3月以下の在留期間が決定された者、短期滞在の在留資格が決定された者、外交又は公用の在留資格が決定された者、これらの外国人に準じたものとして法務省令で定める者、特別永住者在留資格を有しない者
(2)新たな在留管理手続の流れ
入国の審査
 旅券に上陸許可の証印をするとともに、中長期滞在者には在留カードを交付します。
住居地の(変更)届出
 住居地を定めてから14日以内に、住居地を市区町村に届け出て下さい。その後、住居地を変更した場合も同様です。
氏名等の変更届出
 氏名、生年月日、性別、国籍等を変更したときは、14日以内地方入国管理局に届け出て下さい。
所属機関等に関する届出
 「技術」等の就労資格(「芸術」、「宗教」及び「報道」を除く)や、「留学」等の学ぶ資格
 ⇒所属機関の名称もしくは所在地の変更等が生じた場合には、14日以内地方入国管理局に届け出て下さい。
 「家族滞在」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」のうち、配偶者に係るもの
 ⇒配偶者と離婚又は死別した場合、14日以内地方入国管理局に届け出て下さい。
在留カードの再交付
 紛失、盗難、滅失、又は著しい毀損、汚染等をした場合には、地方入国管理局に再交付を申請して下さい。
 *上記以外の理由で在留カードの交換を希望する場合にも、実費相当の手数料を負担して、再交付の申請ができます。
在留審査
 在留期間更新申請、在留資格変更許可等により中長期在留者となった場合に、在留カードを交付します。
(3)適法に在留する外国人の利便性を向上させるための措置
在留期間の上限の伸長(3年→5年)、在留資格「留学」の最長期間(2年3月→4年3月
再入国許可制度の見直しみなし再入国許可制度の導入等)
 有効な旅券及び在留カードを所持する外国人で出国後1年以内に再入国する場合には、原則として再入国許可を受ける必要はなくなります。また、有効な旅券及び特別永住者証明書を所持する特別永住者は、出国後2年以内に再入国する場合には、原則として再入国許可を受ける必要はなくなります。
 再入国許可を受ける場合の再入国許可の有効期限の上限については、これまでの「3年」から「5年」に伸長されます。また、特別永住者については、これまでの「4年」から「6年」に伸長されます。
(4)罰則等
在留資格の取消し事由(入管法第22条の4第1項)
イ)偽りその他不正の手段により在留特別許可を受けたこと(第5号)
ロ)配偶者の身分を有する者としての活動を継続して6月以上行わないで在留すること(当該活動を行わないで在留していることにつき正当な理由がある場合を除く。)(第7号)
ハ)住居地の届出をしないこと(届出をしないことにつき正当な理由がある場合を除く。)や虚偽の住居地の届出をしたこと(第8号~第10号)
退去強制事由(入管法第24条)
イ)在留カード及び特別永住者証明書の偽変造等の行為(第3号の5)
ロ)中長期在留者の各種届出等に関する虚偽届出等や在留カードの受領・提示義務違反により懲役以上の刑に処せられたこと(第4号の4)
罰則
イ)中長期在留者の各種届出等に関し、虚偽届出等や届出等義務違反、在留カードの受領・携帯・提示義務違反(入管法第71条の2、第71条の3)
ロ)不法就労助長罪の見直し(入管法第73条の2第2項)
ハ)在留カードの偽変造等の行為に係る罰則(入管法第73条の3~第73条の6)

2.特別永住者に係る措置(特別永住者証明書)【施行日:公布日から3年以内】

 新たな在留管理制度の構築に伴い、外国人登録法廃止され、外国人登録証明書廃止されますが、特別永住者については、法務大臣が特別永住者証明書を交付します。
 特別永住者証明書には、写真が表示されるほか、次の事項が記載されます。氏名・生年月日・性別及び国籍の属する国又は入管法第2条第5号ロに規定する地域、住居地、特別永住者証明書の番号・交付年月日及び有効期間の満了の日。

3.外国人研修制度の見直しに係る措置【施行日:公布日から1年以内】

(1)以下の活動を行うことができる在留資格として「技能実習」を整備します。
①在留資格「研修」の活動のうち実務研修を伴うもの(国等が受け入れる場合を除く。)について、労働関係法令の適用を可能とするための活動
②①の活動に従事し、技能等を修得した者が雇用契約に基づき修得した技能を要する業務に従事するための活動
(2)事実と異なる在職証明書等の作成に関与して、研修生が入国することを幇助するような悪質なブローカーに対処するため、偽変造文書作成の教唆・幇助等に係る退去強制事由を規定します。

4.在留資格「留学」と「就学」の一本化【施行日:公布日から1年以内】

 日本語教育機関などで学ぶ就学生が大学等に進学する場合、在留資格「就学」から「留学」への変更許可申請が不要になります。この措置の趣旨は、留学生及び教育機関の負担軽減、留学生の安定的な在留です。

5.入国者収容所等視察委員会の措置【施行日:公布日から1年以内】

 入国者収容所等の適正な運営に資するため、入国者収容所等視察委員会を設置します。

6.拷問等禁止条約等の送還禁止規定の明文化【施行日:公布日】

 退去強制を受ける者を送還する場合の送還先に、拷問等禁止条約第3条第1項(「いずれの者をも、その者に対する拷問が行われるおそれがあると信ずるに足りる実質的な根拠がある他の国へ追放し、送還し又は引き渡してはならない。」)及び強制失踪からの全ての者の保護に関する国際条約に規定する国を含まないことを明確に規定します。

7.在留期間の特例に係る措置【施行日:公布日から1年以内】

 在留期間の満了の日までに申請した場合において、申請に対する処分が在留期間の満了までにされないときは、当該外国人は、その在留期間の満了後も、当該処分がされる日又は従前の在留期間の満了の日から2月を経過する日のいずれか早い日まで、引き続き当該在留資格をもって本邦に在留することができる規定を設けます。

8.上陸拒否の特例に係る措置【施行日:公布日から1年以内】

 上陸拒否事由に該当する特定の事由がある場合であっても、法務大臣が相当と認めるときは、上陸を拒否しないことができる規定を設けます。例えば、不法残留によって退去強制された外国人が日本人と婚姻し、かつその日本人が当該外国人の本国を何度も訪問したなど婚姻の実体がある場合、上陸拒否期間中(5年又は10年)であっても上陸特別許可が認められ、在留資格「日本人の配偶者等」が与えられることがあります。このような外国人は、その後の再入国の際、上陸を拒否されません。

9.乗員手帳等の携帯・提示義務に係る措置【施行日:公布日から6月以内】

 乗員上陸の許可を受けた者について、乗員上陸許可書(顔写真がなく、本人確認ができません)に加えて旅券又は乗員手帳の携帯・提示義務を課すことを規定します。

10.退去強制事由等の整備に係る措置【施行日:公布日から1年以内】

 不法就労助長行為に的確に対処するため、不法就労助長行為に係る退去強制事由を規定します。また、資格外活動許可を受けた者について、当該許可の条件違反等に係る措置を規定します。

【参考資料】

・「出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律の概要」、2009年7月15日公布、法務省入国管理局

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